土作りと生態系による有機野菜作りについて

オーガニックnicoの中村です。

このブログに書くのは2回目なのですが、これから、わが社が標榜している「土づくりと生態系による有機野菜作り」についてや、それに関する思いなどを書いていきたいと思います。

さて、第1回目は「土作りと生態系による有機野菜作り」というのは、どういうことなのか? ということをお話ししたいと思います。

有機栽培というと、その定義を農林水産省の有機JAS規格のホームページから引用すると、

「農業の自然循環機能の維持増進を図るため化学的に合成された肥料及び農薬の使用を

避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる農法」

ということになります。つまりここで、化学合成肥料と化学合成農薬の使用を禁じているとともに、土による生産力の発揮を謳っているわけです。

しかし、現実の有機農法はというと、必ずしもこのようなことにはなってはいません。土作りは結構体力が要ったり、年月がかかります。また、元々の土質や地形によっては技術的に難しい面もあります。

そこで、土作りを意識しない有機農家さんは、とりあえず有機質肥料を入れて作物を作ってしまいがちです。有機質肥料を入れるだけで土作りをしなくても最初は確かに作物はできます。しかし、それを何年か続けていると、だんだん土が痩せていって有機質肥料を入れても連作障害や病気や虫で作物ができなくなってくるし、また地下水や河川の汚染や富栄養化などの環境に対する悪影響もあります。一方、土作りをしてくと、最初は労力がかかりますが、次第に少ない労力でも安定して作物ができるようになってきます。つまり最初に損をして後で長期的な得を取るか、最初に得をして後で苦しい目に合うか、ということだと思います。

生態系についても同じことです。防虫ネットなどの物理的防除、光や臭いでおびき寄せて捕まえたりするトラップの類、天然由来のにんにくトウガラシのエキスや、薬草の成分、木酢液、イオウ剤や銅剤、微生物の体から出す毒素によって特定の虫や病原菌を殺す働きの資材など、有機JAS規格で認められているいろいろな資材があります。(これらは、大いに効くものもあれば気休め程度にしか効かないものもあります)しかし、最初からこれらの資材にだけ頼って生態系を作ることに努力をしなければ、いつまでたっても資材に頼り続けなければなりませんし、虫や病気の方も耐性ができてきて次第に効かなくなってくる場合もあります。一方、生態系を作りこむことに気を付けていくと、土づくりと同じことで、次第に少ない労力でも安定して作物ができるようになってきます。

ですので、私は長期的に農業を持続できる方法として、土作りと生態系作りにはこだわります。ただ、これらはいつまでたっても完成ということがありませんし、年月のかかる根気のいる作業ですから、短期的に収穫量を稼ごうとすると失望します。

一方、農業経営としてはある程度短期的にも結果を出さねばなりません。土作り、生態系作りができるまで何年も収入なし、というわけにはいかない場合が多いと思います。

結論として私が採用している方法は、ある程度有機質肥料や病害虫の防除法(もちろん化学合成農薬以外のもので)を使います。しかし、同時並行で土作りと生態系づくりに取り組んでいます。つまり、土づくりや生態系づくりに悪影響が出ない使い方や範囲に気をつけながら有機質肥料や防除資材を使い、同時に堆肥や廃菌床・緑肥を使って土づくりを行い、生態系が構築できるように多様な作物の作付けをしたり天敵のバンカーを確保したりとしています。

この方法は、確かに最速で土作り生態系づくりをするよりは、少し余計に時間がかかると思いますが、短期的な経営を維持しながら、3~5年後にはかなり安定した土作りと生態系に基づいた楽な有機農法ができるようになると信じています。

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