投稿日:2023年2月3日
最終更新日:2023年8月21日
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有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~前編~

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WRITER 中村新
代表取締役
人間の飽くなき探求心を人間と地球の健康のために役立てたい という理念の元、有機農法の生産技術開発と実践、普及に取り組んでいます。 どうしてこのような活動をしているのでしょうか? 私は幼少時代を滋賀県草津市追分町という田舎で過ごし、農学者であった父が庭でイチゴや野菜を育てるのを手伝ったりするなかで原体験として農業があったと思います。同時に興味があったのは太陽や風、地熱といった自然エネルギーです。しかしそれでは飯は食えぬ、ということでもう一つ興味があった光エレクトロニクスの分野に進み、FA(ファクトリーオートメーション)用センサの研究開発に長年取り組みました。それは大変面白いエンジニア人生でしたが、大量生産大量消費社会の一翼を担う商品の研究開発に仕事人生の全てをかけるのはちょっと寂しい。仕事人生の後半は地球環境に直接関わる仕事をしたい、という感覚が年々強まり、42歳のときに有機・自然農法の世界でベンチャーを興そうと決意。その後いったん東京のレーザー関係のベンチャー企業で数年間ベンチャーたるものの体験を積み、47歳でサラリーマンを辞めて、有機・自然農法の世界に入りました。 1年間若い人たちと一緒に寮に入って自然農法の研修を受け、その後2007年2月に京都府南丹市にて新規就農。典型的な中山間地域で、獣害、水はけの悪い重粘土質の土、総面積は広いが飛び飛びの農地、冬の積雪などと闘いながら、農業系ベンチャーなどとは程遠い日々。それでも5年目くらいでようやく土づくりの何たるかが実体験と結びついて理解できるようになりました。そこでは父が翻訳した名著「生きている土壌」との出会いが大きかったと思います。そしてその頃からようやくまともに作物ができるようになりました。 その後縁あって新規就農7年目の2013年秋に京都市西京区大原野に移転。かねてから興味のあった自然エネルギーの分野と、農業が合体したエコグリーンハウス、およびハウス用環境制御システムの開発に着手し、少しベンチャー企業らしくなってきました。 2016年度からは、ハウスや環境制御システムにこだわらず、「持続可能な農業に関する技術開発と普及」をミッションとする、アグリサイエンス事業部を立ち上げました。さらに2021年度からはアグリサイエンス事業のなかで、有機農業を普及させるキーは「データ活用型有機農業」と位置づけ、この分野の技術の体系化・構築に注力しており、技術も経営もどんどん進化し続けていることを体感しています。仕事人生後半の総仕上げにはもう少し時間がかかりそうです。
有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~前編~

有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~前編~

こんにちは!オーガニックnicoです。

コラム第3回は「有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性」というテーマで、

元・技術系エンジニアの弊社代表 中村の新規就農時の「苦い経験」をもとにお話し致します。

これから新規就農を検討している方、是非参考になさってください♪

重要な“二つの○○”とは?

コラムテーマの「重要な二つの〇〇」・・・気になりますよね。(笑)
先に答えを言っちゃいます!

一つ目は「土地選び」の重要性について。

二つ目は「理想にとらわれすぎない事」の重要性について。

今当時を振り返ってみると、この二点について考える事が本当に大切だったな・・・と思います。
では早速、お話ししていきます!

オムロン退職~大学校での学び直し期間

オムロン退職後、まずはベンチャー企業の「体験修行」として、東京のレーザー関係の会社に2年半勤務。

その後、2006年3月から約1年間、静岡県伊豆の国市の「MOA自然農法大学校」で
自分の子供くらいのメンバーと一緒に入寮し、
いよいよ有機農業に関する研修をスタートさせました。

「MOA自然農法大学校」を選んだ理由は、

  • 「自然農法※」という、個人的に目指していきたい農業のスタイルが学べる事。
  • 講師陣が大学の先生・有機・自然農法で有名な方々であった事。
  • 理論体系づけて有機・自然農法が学べそうであった事。
  • ハウスや農業機械などが充実していた事。
  • 寮費/授業料が安かった事。

このような理由から、この大学校で学ぶ事を決めました。

MOA自然農法大学校での学びは非常に大きなものが得られ大満足でしたが、
農業経営についての学びがあればもっとよかったな・・・と今となっては思います。

※自然農法・・・肥料や農薬等の農業資材に極力頼らず作物栽培をする農業スタイルの事を指しています。
木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」が有名ですね!

いざ就農へ!!

「MOA自然農法大学校」で約1年間の研修を終えたあと、いよいよ就農に踏み切ります。

就農スタートにあたり、土地が必要・・という事で、
農業関係者の方の色々なご縁を頼って農地を探した結果、
京都府下でなかなか良い感じのところをご紹介いただき、そこで就農する事にしました。

自分の理想とする自然農法での就農・・・
農業を通じた地球環境問題の改善に貢献できる・・・!
自分のやりたいと思っていた事を叶えられる!

どの季節にどんな野菜を育てようか?
どんなところに販売しようか。
うまくいったらどうやって拡大させていこうか。

ワクワクしながら農業をスタートさせた事を覚えています。

想定外のできごと①

希望に満ち溢れ農業をスタートさせたのですが、ここで想定外の出来事に直面します。

なんと、育てた野菜が全然収穫できなかったのです…!!

収穫ができなかった理由としては色々あるのですが、大きくは二つ。

一つ目は「獣害」です。

記憶に残っているものとしては、

鹿に電気柵を破られて黒豆がほぼ全滅…

スイカやカボチャがサルにやられて最初の2個程度しか収穫できず…

ヤマイモがまもなく収穫という時にヌートリアにやられてほぼ全滅…

そう、「良い感じだな」と思って選んだこの土地は山のすぐ近く。
非常に獣害が多い土地だったのです…!

想定外のできごと②

想定外のできごとの二つ目。

それは「生育不良と病害虫」です。

「自然農法」での農業を理想として就農をスタートさせたので、
たとえ有機であったとしてもできるだけ資材に頼らないほうがよいと思っていました。

そのため、米ぬか、油粕、草堆肥のような肥料は使っていたものの、
農薬は有機JAS認定のものも含め一切使用していませんでした。

その結果何が起こったか。

キャベツ、ハクサイが生育不良で半分くらい結球せず・・・

キュウリやピーマンは成長制御ができず、一気に収穫⇒その後一気に取れなくなり、1か月程度しか収穫できず・・・

ハウストマトがサビダニにやられて1か月半程度しか収穫できず・・・

などなど。

当時、年間40品目位を作付けしていましたが、収穫率は30~50%程度。
100%近く収穫できる時もあれば、なんとほぼ0(!)という時もあり、
今のように長期間継続的に収穫ができず、まったく売り上げが読めない状況でした。

当然収益も安定せず・・・一体どうすればいいのか?
毎日頭を悩ませていました。泣

少し長くなりましたので、次回のコラムに続きます。
次回更新をお待ちください♪

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