代表
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人間の飽くなき探求心を人間と地球の健康のために役立てたい
という理念の元、有機農法の生産技術開発と実践、普及に取り組んでいます。
どうしてこのような活動をしているのでしょうか?
私は幼少時代を滋賀県草津市追分町という田舎で過ごし、農学者であった父が庭でイチゴや野菜を育てるのを手伝ったりするなかで原体験として農業があったと思います。同時に興味があったのは太陽や風、地熱といった自然エネルギーです。しかしそれでは飯は食えぬ、ということでもう一つ興味があった光エレクトロニクスの分野に進み、FA(ファクトリーオートメーション)用センサの研究開発に長年取り組みました。それは大変面白いエンジニア人生でしたが、大量生産大量消費社会の一翼を担う商品の研究開発に仕事人生の全てをかけるのはちょっと寂しい。仕事人生の後半は地球環境に直接関わる仕事をしたい、という感覚が年々強まり、42歳のときに有機・自然農法の世界でベンチャーを興そうと決意。その後いったん東京のレーザー関係のベンチャー企業で数年間ベンチャーたるものの体験を積み、47歳でサラリーマンを辞めて、有機・自然農法の世界に入りました。
1年間若い人たちと一緒に寮に入って自然農法の研修を受け、その後2007年2月に京都府南丹市にて新規就農。典型的な中山間地域で、獣害、水はけの悪い重粘土質の土、総面積は広いが飛び飛びの農地、冬の積雪などと闘いながら、農業系ベンチャーなどとは程遠い日々。それでも5年目くらいでようやく土づくりの何たるかが実体験と結びついて理解できるようになりました。そこでは父が翻訳した名著「生きている土壌」との出会いが大きかったと思います。そしてその頃からようやくまともに作物ができるようになりました。
その後縁あって新規就農7年目の2013年秋に京都市西京区大原野に移転。かねてから興味のあった自然エネルギーの分野と、農業が合体したエコグリーンハウス、およびハウス用環境制御システムの開発に着手し、少しベンチャー企業らしくなってきました。
2016年度からは、ハウスや環境制御システムにこだわらず、「持続可能な農業に関する技術開発と普及」をミッションとする、アグリサイエンス事業部を立ち上げました。さらに2021年度からはアグリサイエンス事業のなかで、有機農業を普及させるキーは「データ活用型有機農業」と位置づけ、この分野の技術の体系化・構築に注力しており、技術も経営もどんどん進化し続けていることを体感しています。仕事人生後半の総仕上げにはもう少し時間がかかりそうです。
- 1958年生まれ 滋賀県出身
- 1982年 大阪大学基礎工学部電気工学科卒業。
- 1982年〜 オムロン株式会社にて光を用いたセンサーの研究開発、商品企画 22年
- 2003年〜 東京のベンチャー企業「サイバーレーザー株式会社」でレーザーの研究開発 2年半
- 2006年 MOA自然農法大学校にて研修1年
- 2007年〜 南丹市日吉町にて新規就農
- 2010年5月18日 南丹市八木町を本社拠点として株式会社オーガニックnico 設立
- 2012年12月 エコグリーンハウスの開発に着手
- 2013年11月 京都市西京区大原野に移転
- 2016年6月 アグリサイエンス事業を立ち上げ
- 現在 有機野菜事業とアグリサイエンス事業の二本柱で経営の傍ら、日本・中国での農業コンサルティング、収穫量予測システムの開発などに携わる。
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