投稿日:2023年2月9日
最終更新日:2023年8月21日
有機有機農業京都新規就農脱サラ農業有機野菜悩み体験

有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~後編~

著者画像
WRITER 中村新
代表取締役
人間の飽くなき探求心を人間と地球の健康のために役立てたい という理念の元、有機農法の生産技術開発と実践、普及に取り組んでいます。 どうしてこのような活動をしているのでしょうか? 私は幼少時代を滋賀県草津市追分町という田舎で過ごし、農学者であった父が庭でイチゴや野菜を育てるのを手伝ったりするなかで原体験として農業があったと思います。同時に興味があったのは太陽や風、地熱といった自然エネルギーです。しかしそれでは飯は食えぬ、ということでもう一つ興味があった光エレクトロニクスの分野に進み、FA(ファクトリーオートメーション)用センサの研究開発に長年取り組みました。それは大変面白いエンジニア人生でしたが、大量生産大量消費社会の一翼を担う商品の研究開発に仕事人生の全てをかけるのはちょっと寂しい。仕事人生の後半は地球環境に直接関わる仕事をしたい、という感覚が年々強まり、42歳のときに有機・自然農法の世界でベンチャーを興そうと決意。その後いったん東京のレーザー関係のベンチャー企業で数年間ベンチャーたるものの体験を積み、47歳でサラリーマンを辞めて、有機・自然農法の世界に入りました。 1年間若い人たちと一緒に寮に入って自然農法の研修を受け、その後2007年2月に京都府南丹市にて新規就農。典型的な中山間地域で、獣害、水はけの悪い重粘土質の土、総面積は広いが飛び飛びの農地、冬の積雪などと闘いながら、農業系ベンチャーなどとは程遠い日々。それでも5年目くらいでようやく土づくりの何たるかが実体験と結びついて理解できるようになりました。そこでは父が翻訳した名著「生きている土壌」との出会いが大きかったと思います。そしてその頃からようやくまともに作物ができるようになりました。 その後縁あって新規就農7年目の2013年秋に京都市西京区大原野に移転。かねてから興味のあった自然エネルギーの分野と、農業が合体したエコグリーンハウス、およびハウス用環境制御システムの開発に着手し、少しベンチャー企業らしくなってきました。 2016年度からは、ハウスや環境制御システムにこだわらず、「持続可能な農業に関する技術開発と普及」をミッションとする、アグリサイエンス事業部を立ち上げました。さらに2021年度からはアグリサイエンス事業のなかで、有機農業を普及させるキーは「データ活用型有機農業」と位置づけ、この分野の技術の体系化・構築に注力しており、技術も経営もどんどん進化し続けていることを体感しています。仕事人生後半の総仕上げにはもう少し時間がかかりそうです。
有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~後編~

有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性~後編~

こんにちは!オーガニックnicoです。

コラム第3回で「有機農業をスタートさせてから気付いた!“二つの○○”に対する重要性」というテーマで、

希望を持って農業をスタートさせ、事前のシミュレーションではある程度収益も出せる予定でしたが、

獣害と生育不良・病害虫のダブルパンチで、とてもそんな状態ではなくなってしまった・・というところまでお話しさせて頂きました。

後編では、そこからどのような学びを得たのか?お話しさせて頂きます!

これから新規就農を検討されている方、是非参考になさってください♪

自然農法での農業を理想として就農スタートする事自体は良いですし、
実際に自然農法での農業をされている方は本当に素晴らしいと思います・・!
家庭菜園や自家用野菜であれば、自然農法はとても適していると思います。

「土地選び」の重要性について

土地を選ぶ際に、「その土地での農業の実態」を調査せず、
広さやご近所との関係性、なんとなく良さそう・・というような基準で選んだため、
結果獣害が多い土地を選んでしまいました。

獣害があっても十分なメリットが得られるような場所であったり、
収益が上げられるモデルが確立されていれば良いと思うのですが、
そのような事について深く検討していなかったため、いきなりつまづく事になってしまったのです。

獣害対策について、たとえば電気柵をきっちり設置するとサル以外の獣害を回避する事ができるのですが、
電気柵は頻繁に点検・補修しておかないとすぐに動物に破られてしまいます。

つまり、点検・補修のための作業工数が相当かかるのです。
更に、農場が複数個所に点在している場合、点検・補修にかかかる労力もそれだけ増えてしまいます。

就農スタート時、「その土地での農業の実態」はどのようなものか?

その農業スタイルは自分の目指す目標・目的と合致しているか?

そのような視点を持って土地を選ぶ事が非常に大切である事を学びました。

「理想にとらわれすぎない事」の重要性について

ですが私は農業を事業化していく事を目標としていたので、
そのために収益をあげなければなりません。

病害虫と生育不良で野菜が収穫できず、収益が上がらないのであれば、
まず有機JAS認定の農薬を使ってみるなどの方向転換を行うべきだったのですが、

「自然農法での農業」という理想が先行してしまい、その判断が遅れてしまいました。

結果、野菜で収益を上げられる状態にするまでに時間がかかってしまいました。

就農スタート時に理想を持つ事は良い事です。

ですが、目標を実現させるためにどこまで理想に沿うべきか?

理想に固執するあまり、本来の目的から遠ざかっていないか?

そのような視点を持つ事が大切だったな・・と痛感しました。

終わりに

いかがでしたでしょうか?
新規就農時、このようなポイントを見落としてしまうと、最初からつまづいてしまいます。泣

これから就農を検討されている方には、つまづくことなく就農スタートして頂きたい・・!
私のこの「苦い経験」を是非参考にして頂ければと思います!

お読み頂き、有難うございました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★オーガニックnicoでは皆様のお悩み解決・農業コンサルティングを行っています!
収穫量アップ、病害虫対策、経営関係等、農業従事者が抱えるお悩みに対して幅広くサポートしています。

気軽なオンライン相談等もありますので、ご興味のある方は
「事業内容⇒国内コンサルティング」からメニューを確認の上、お問合せ下さい♪

★とっても貴重な「苗から有機」イチゴ苗販売予約受付中!
苗栽培から化学肥料や化学合成農薬を使わない、“苗から有機”のいちごは
国内栽培されるいちごの0.002%程度と言われています。

そんな貴重なイチゴ苗をご家庭でも育てて頂けます♪
3連ポットのイチゴ苗で、移植の手間がないため、このまま屋外やベランダ・お部屋の中で育てられます。      
4月出荷⇒すぐに収穫が始められます!
この機会に是非有機イチゴを育ててみてください!
ポケットマルシェ「苗から有機」イチゴ苗販売ページ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー