受託研究事業

受託研究事業

再現性の高い有機農業実現のため
有機農業に使用可能な農薬・資材・機材を科学的に検証

事業内容

世の中に数ある農薬、資材、機材の中から、本当に効果があるものを選び、有効的に使用することはなかなか困難です。 しかし、それらを的確に選び使いこなすことができれば、経営投資を上回る恩恵を得ることも可能です。

有機農業においては、それらの効果の見極めが更に難しいことに加えて、使用可能な農薬・資材・機材が少ないという実情もあります。再現性が高く合理的な有機農業を実現するためにも、農薬、資材、機材を適切に選び、利用することは非常に重要であると考えています。

オーガニック nico では、企業が特別栽培するために補助されてきた農薬、農業用資材、農業用機材、農業用センシング機器などに関するご相談に対し、その効果を適切な利用方法を見極め、最適な解決を目指す受託研究事業を行っています。

「生産部門・市場競争性能・豊富な生産ノウハウの経験」と「アグリサイエンス部門・専門性の高い研究評価技術・検証能力」をもつオーガニック nico だからこそ「商材の強み」「商材と作物栽培の相性」「商材化に必要なデータ」を的確に評価しご提供します。

また、社内・社外の技術者ネットワークを有効に活用しています。

※当社は農薬登録試験などGLP 試験機関ではありません。農薬登録の前提となるユーザーテストについてのみ評価が可能です。

当社受託試験で解決できること

  • 未利用資源の活用未利用資源の活用
  • 商品化に向けてのデータ取得商品化に向けてのデータ取得
  • 販売を指示する信頼の置けるデータ取得販売を指示する信頼の置けるデータ取得

未利用資源の活用

利用方法を探索段階の産業廃棄物や新規素材などを、有機農業や環境保全型農業に役立ててみたいというご相談に対して、堆肥化など有効利用の可能性を検証

ご相談例

  • 食堂で出される野菜の皮のコンポスト堆肥化方法の設計をして欲しい
  • 冷凍野菜加工後の残渣を農業用堆肥化して有効利用できるかどうか検証してほしい

商品化に向けての
データ取得

商品化を目指す資材・機材について、有機栽培の生産現場で使用方法を検証
他社製品との効果の比較検証

ご相談例

  • 実験室環境で効果があった商品が圃場環境で効果を発揮できるか確認したい
  • 害虫発生抑制に効果が高い防除機材の設置位置と作物の高さの関係を明確にしたい
  • 有機栽培に適した品種かどうか圃場栽培試験を行いたい
  • 病害抵抗性品種の能力を検証したい

販売を支持する
信頼のおけるデータ取得

生産部門の現場経験を生かし、農家の視点で説得力があるデータを取得する試験設計

ご相談例

  • 資材や機材の効果を数値で表現しグラフ化したものを広告掲載したい
  • 同成分の他社製品と施用試験比較で作物の生育に差異があるか知りたい
  • 防除機材の設置が害虫の低減にどの程度寄与するかの検証結果、合わせて農薬散布の回数軽減がどの程度行われたかを含めた試験結果が欲しい
  • 収穫物の重量調査は数字で提出して欲しいが、資材施用区の果実収穫物の品質分析を自社で行いたいため収穫物を定期的に発送して欲しい

サービスフロー

  1. ヒアリング

    お客様のご要望、状況を丁寧にヒアリングします。

  2. 実験計画

    ヒアリング内容を受け、評価指標は何か、制御因子や誤差因子を何にするかなどを決め実験計画を立てます

  3. 圃場評価

    程昱調査などの比較試験や、ユーザービリティの評価試験を行います

  4. 報告書

    結果を分析し、報告書にまとめます

保有施設と保有設備

生産圃場

生産圃場の一部区画に農薬散布・資材施用または機材を設置し、非施用・非設置の区画と比較試験を行います。

※生産圃場(有機JAS認証)で使用が不適と判断される農薬、資材、機材については、生産圃場での栽培と同等の研究圃場での試験をご提案させていただく場合があります。

研究圃場

生産圃場と同じ大原野地域の研究圃場区画にて農薬散布・資材施用または機材を設置し、非施用・非設置の区画と比較試験を行います。

実験室

人工気象器(発芽試験、幼苗ポット試験)、恒温器(寒天培地菌体培養※)を用いた実験室内試験評価を行います。
また土壌化学性分析(Dr ソイルによる色素分析法/JBF 分光光度計による分析)および土壌物理性分析(土壌デジタル実容積測定装置)も実施可能です。
※P1 レベルの実験施設のため人に無害な菌体のみ扱うことが可能です

保有設備

  • 人工気象機
  • 光合成測定装置
  • 光学顕微鏡
  • 紫外- 可視光源・分光器
  • クリーンベンチ
  • オートクレーブ

事例紹介

京都大学生存圏研究所様異なる土壌消毒方法(還元消毒VS太陽熱消毒)により生じた土壌微生物叢構成の解明

ご要望
  • 異なる土壌消毒(養生)により生じる土壌微生物叢の違いをゲノミクス解析したい
  • 土壌微生物叢の違いによるミニトマト初期成育および収穫量調査
試験内容
試験期間2018年8月~2019年2月
供試品種べにすずめ(ミニトマト)
試験内容
  • 太陽熱消毒(養生)中の土壌検体採取
  • 収穫量調査
結果
  • 土壌還元消毒と土壌太陽熱養生では生じる土壌微生物の種類が異なり、土壌微生物の種類の豊富さが太陽熱養生で勝っていた。
  • 初期成育および収穫量では大きな違いが見られなかった。

オムロン株式会社様非破壊画像解析と機械学習によるミニトマト葉面積指数の推測

ご要望
  • 非破壊による葉面積の推定システムの構築
  • 群落の画像データを機械学習し、LAIの推定・検証
試験内容
試験期間2018年11月~2019年3月
供試品種べにすずめ(ミニトマト)
試験内容
  • 生育段階推移葉面画像データの取得
  • 群落画像データの取得
結果
  • 非破壊による画像処理で面積を推定し、LAIを算出した
    LAIの範囲は 0.7 ~ 2.6
  • LAIの学習結果、学習に与えた推定値と真値が R²=0.97 の高い相関を示した
  • 学習に加えてない500枚の群落画像データを検証し、判断値とLAIの真値は R²=0.92 となり高い相関を示した

株式会社ホタルクス様農業用赤色LED AGRI-REDによる電照効果およびアザミウマ類行動阻害効果を実証

ご要望
  • 農業用赤色LED AGRI-RED による電照効果
  • アザミウマ類行動阻害効果を実証
試験内容
試験期間2022年11月~2023年4月
供試品種おいCベリー(イチゴ)
試験内容
  • 収穫量調査
  • アザミウマ類寄生株率調査
結果
  • 電照効果を得られ、収穫量の維持とアザミウマ寄生株率抑制の両者を実証

試験では、赤色LED電球を照射した区画、一般的な電照用電球を照射した区画、電照を行わなかった区画の収量推移を比較しました。

  • 赤色LED電球照射区 と 電照用電球照射区 は、12月以降の収量が増加し、3月以降に急激な収量増加が見られました。
  • 電照なしの対象区 は、収量の増加が遅く、特に1月~3月にかけて他の区画との差が顕著になりました。
  • 4月時点では、赤色LED電球照射区と電照用電球照射区の収量はほぼ同等の水準に達しましたが、電照なしの対象区はそれよりも低い収量に留まりました。
  • この結果から、電照が収量の向上に寄与することが明らかになり、特に赤色LEDの使用が一般的な電照と同等の効果を示すことが確認されました。

試験では、赤色LED電球照射区、電照なしの対象区、対象区の散布なし予測の3つの条件で、アザミウマの寄生株率を比較しました。

  • 11月から2月までは、すべての区画でアザミウマの寄生株は確認されなかった。
  • 3月に入り、電照なしの対象区でアザミウマの寄生株が急増し、スピノエース(害虫防除剤)の散布が実施された。
  • 散布後、一時的に寄生株率は低下したが、その後再び上昇し、4月にはさらに増加する傾向が見られた。
  • 赤色LED電球照射区では、アザミウマの寄生株率が大きく上昇することはなく、4月時点でも低い水準を維持していた。

株式会社ファーマフーズ様内生酵母菌資材によるイチゴの糖度維持効果を実証

ご要望
  • イチゴを用いた内生酵母菌資材の効果検証を行いたい
試験内容
試験期間2022年11月~2023年4月
供試品種かおり野(イチゴ)
試験内容
  • 収穫量調査
  • 糖度測定
結果
  • 内生酵母菌資材(ROOT QUEEN)に冬季のイチゴ糖度を維持する効果があることが実証された。
  • 赤色LED電球照射区 と 電照用電球照射区 は、12月以降の収量が増加し、3月以降に急激な収量増加が見られました。
  • 電照なしの対象区 は、収量の増加が遅く、特に1月~3月にかけて他の区画との差が顕著になりました。
  • 4月時点では、赤色LED電球照射区と電照用電球照射区の収量はほぼ同等の水準に達しましたが、電照なしの対象区はそれよりも低い収量に留まりました。
  • この結果から、電照が収量の向上に寄与することが明らかになり、特に赤色LEDの使用が一般的な電照と同等の効果を示すことが確認されました。