有機いちご苗の栽培工程
有機いちご苗の栽培工程
有機いちご苗の栽培工程
安定した品質の苗を作るのは容易ではありません。苗という個体差のある生き物を環境差や気象の変化があるなかで確実に育てていくには、全ての育苗工程において細心の注意を払う必要があります。
当社ではそれぞれの作物ごとに専任者を置くことで、きめ細かで行き届いた育苗管理を実現しています。専任者が専門技術の研鑽に集中しやすい環境を作り出すことで作業の効率化にも繋がっています。
ここでは栽培が難しいといわれる「有機いちご苗」の受注から栽培、出荷に至る一連の工程を、写真を交えて簡単にご紹介します。
育苗フロー

プラグ苗
- 播種
- 播種
- 発芽
- 育苗
- 初期育苗
- 培土作成・土詰め
- セルトレイに鉢上げ
- 育苗
- 二次育苗
- 選別・挿替え
- 出荷
- CO₂燻蒸
- 出荷
ポット苗
- 播種
- 播種
- 発芽
- 育苗
- 初期育苗
- 培土作成・土詰め
- セルトレイに鉢上げ
- 育苗
- 二次育苗
- 培土作成・土詰め
- ポットに鉢上げ
- 育苗・鉢ずらし
- 出荷
- CO₂燻蒸
- 出荷
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受注・育苗指示
育苗に特化した生産管理システムを導入し、グループ全社がリアルタイムで情報を共有/ 管理しています。
お客様から頂いたご注文はデータベース化された育苗日数をもとに播種から納品までの工程日数を算出した上で作業に取り掛かります。
万が一気象状況などで工程日数にずれが生じた場合は管理技術で生育を制御します。経験と勘だけに頼らず、これまでに長年蓄積したデータも併用した育苗管理によって良質な苗を安定的かつ効率的に生産します。
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培養土
イチゴの育苗に最適になるよう、初期育苗から有機JAS で使用を認められた育苗用培土を複数種類ブレンドして使用しています。通気性・透水性・保水性に優れ、重量が軽いのが特徴です。
なお、播種時には、通気性・透水性・保水性に優れた肥料成分の含まれていない、細かい培土を使用しています。
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播種室内人工気象器
イチゴの種子は1mm 程度と非常に小さく、また、好光性種子といって発芽に光を要するため、播種は育苗箱に人の手で丁寧に撒き、別室内の人工気象器内で管理します。発芽前後のイチゴは非常に乾燥に弱いことから、きめ細かな水管理を行ない、確実で均一な発芽を実現しています。
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初期育苗人工気象器→育苗設備
人工気象器より育苗設備に苗を出し、根を傷めないようセルトレイに素早く丁寧に移植していきます。ここでしっかりした強い苗にできているかどうかがとても重要。この時点での苗の良し悪しでその後の苗の生育が決まる非常に重要な工程です。
秋植え用の育苗期の場合、強日射や高温による過乾燥が大敵です。遮光カーテンの展開やミスト潅水などを駆使し、乾燥を防ぎます。
春植え用の育苗期の場合、低温による発育の停滞が大敵となります。夜間温床を使用することにより、生育を促します。
このように当社では、季節にあわせてきめ細かい管理を実施、失敗しない安定した苗作りを実現しています。
セルトレイでご注文のお客様へは、この初期育苗が完了した時点の苗をお届けしています。
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二次育苗育苗設備
初期育苗順化が完了した苗は1本1本丁寧にビニールポットに移植されます。移植が終わった苗は株間を空けるスペーシングの処理を施され、しっかりと引き締まった苗に育ちます。
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出荷育苗全室→出荷場
出荷時にはかたちの揃った良い苗を選抜して丁寧に詰めや挿し替え作業を行います。
出荷準備が整った苗は前室に配置している「炭酸ガスいちごハダニ殺虫システム※」で殺虫処理を行った後、出荷作業場に搬送、専任のスタッフにより苗の最終検品~箱入れを経て、発送されます。
宅配便による配送、または大ロットの場合は路線便やチャーター便などにてご対応させていただきます。(いずれも送料は別途お見積り)
高濃度の二酸化炭素ガスを密閉したバック内に充填し、24 時間、苗を燻蒸することによって、ハダニなどの害虫を窒息死させるシステム使用する炭酸ガスは、農薬登録「登録番号18194 号」を取得した、有機JAS で使用可能なもの