オーガニックnicoの
強み
強み
オーガニック nico では有機野菜部門とアグリサイエンス部門の二本柱の組織体制で有機野菜の生産・販売と有機農業の技術開発を進めてきました。技術を高めるために技術開発を専門に行う部門を強化すればいいのではないか?と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に強い技術、役に立つ技術は強い生産現場から生まれるものと考えているからです。
この組織体制の大きな特徴は、有機野菜部門が実証・実験農場ではなく、生産・販売の現場であることです。農家として「おいしくて、ひとと地球の健康につながる」野菜を生産し販売することを生業としながら、有機農業を経営的にも持続可能なものにするため、アグリサイエンス部門でそれを標準化し、データ活用型有機農業の体系化を図っています。その際、以下の図のように生産現場と開発の二部門を循環させることで、より使いやすく実践的な技術を提供することが可能となります。
オーガニック nicoは、有機野菜の生産・販売部門とアグリサイエンス部門の二本柱の体制で、持続可能な農業を推進しています。
アグリサイエンス部門では、以下を主な活動としています。
大学や研究機関、企業との連携により、技術の進化と社会的普及を目指します。
この部門では、以下を通じて社会に貢献しています。
アグリサイエンス部門と有機野菜生産・販売部門の連携を強化し、次の取り組みを進めています。
雇用の創出や持続可能な循環型社会づくりを進め、地球環境に優しい農業を展開しています。
有機農業は栽培が難しく、カンコツ経験の積み重ねでは5~10年かかるといわれています。しかし、5~10年もかかっていたらうまくいくまえに倒産してしまいます。
有機農業にも、いや有機農業にこそ、土づくりや病害虫対策のプロセスを科学的に解明し、カンコツの部分をデータで標準化して栽培技術を体系化することが必要だと考えます。
栽培において起こる問題は、多くの場合、病害虫の発生により顕在化します。慣行栽培の場合は化学合成農薬という強力な対抗策がありますが、有機栽培では(一部使用可能な防除資材※はありますが、特効薬にはなりえないため)「土づくり」「成長制御」「栽培環境」の3つの要素を整えることで「病害虫」の密度をコントロールする必要があります。カンコツ経験に頼る従来の栽培方法では、判断にばらつきが出てしまい、それが有機農業の栽培を不安定かつ困難にしていました。
それぞれの要素の問題を分類・同定し、データを取得・指標化することで標準化し、問題に対する対抗策(アプローチ方法)を組み立てる、これがわたしたちが志向するデータ活用型の有機農業です。
この技術を体系化することで、問題の兆しを早期に発見でき、有効な対抗策を選択することで、問題を抑制し、安定した生産につなげることができます。
栽培上で起こる
さまざまな事象
(問題)
カン・コツ・経験
対抗策
効果?
対抗策
効果?
対抗策
効果?
カンコツ経験により、その時々で問題の対抗策にばらつき
事後の検証もできない
栽培上で起こる
さまざまな事象
(問題)
コントロールが必要な要素として
分類・抽出
問題に対しての分類・特定
数値化
=データを取る
評価
=データを指標化
問題に対する対抗手段を明確化
技術としての体系化
問題の抑制と共有を可能に
※同定:病害箇所(病原菌)および害虫相・環微鏡観察による種の特定
上記のフローをより効率的・合理的に行うための技術開発がアグリサイエンス部門の大きな役割となります。
有機農業に役立つ技術は、植物生理学と土壌学はもとより、生物学、微生物学、化学、はたまた物理学や電子工学、情報科学、経営学など幅広い学問や技術分野にわたります。オーガニック nico では、幅広い技術人材を登用するとともに、必要な技術を保有する大学や研究機関、企業と協業しながら、有機農業のレベルを高める技術開発を進めています。
またこれらの技術の前提として、さまざまな事象を「コントロールが必要な要素」として分類・抽出する力、観察し、問題を発見する力などが必要不可欠です。これらの力は有機野菜事業部の生産現場で日々植物と接することで養われます。これもわたしたちが有する大きな技術の一つと考えています。
土壌分析、生態物の構造や微環境観察をもとに、有効資材の選定を行います。また、資機材の実用化を進めるための技術を提供。
植物や土壌の状態を数値化するための技術を開発。
数値化・指標化技術に基づき、植物や土壌の状態を評価します。さらに、指標化されたデータをもとにしたルール化やアルゴリズム化を進める技術。
一つの問題に一つの対抗手段が対応するとは限らない。複数の対抗策を組み合わせた型を作成し、技術としての体系化を目指します。
問題の抑制と共有を可能にする。
※同定:病害箇所(病原菌)および害虫相・環微鏡観察による種の特定